SiC棚板の鉄分と色

前々回のブログ「SiC原料と鉄分」の通り、グレードの落ちるSiC原料の場合は鉄分が多く含まれたりします。鉄分は耐火物の新品時には赤茶色に見えなくても、一度焼成で使用すると赤茶色に出てきたりします。

下の写真は2~3回焼成に使用した後の他社製のSiC棚板(SiCプレート)です。他社SiC棚板鉄粉1

側面に赤茶色の酸化鉄が出てきております。

この種の酸化物結合SiC耐火物においては、ある程度鉄分が含まれるのは普通で性能には影響ないのですが、鉄分があまりに多いと、下の写真の様にコーティング面を突き破って表面に赤茶色の鉄分が析出してしまい、それが上にのせたセラミックス製品に色移りしたり、SiC棚板底面から鉄分が析出して落下した場合は、下の段の製品に色移りしたりと不具合が発生します。

他社SiC棚板鉄粉2

尚、ユーザーの炉で使用後に初めて赤茶色に出る理由は、酸化鉄でもFeO, Fe3O4の状態では色は黒色で、焼成雰囲気によって酸化鉄の組成がFe2O3になると色が茶色になる事に由来します。