耐火物の降温割れ(冷め割れ)

前回記事の昇温割れは炉内温度が上がる過程でのヒートショックによるセッター・棚板の割れでしたが、逆に炉内温度が下がる過程でのヒートショックによる割れもあり、降温割れ・冷め割れと言います(どちらかというとこのケースの方が多い感じです)。

下の写真はSiC棚板の降温時のヒートショックによる割れの例です。

縁が先に温度が下がり収縮し出しますが、中心部はまだ温度が上がったままで膨張している為、縁が収縮しようとしても収縮しきれずに、膨張した中心部に向かって裂けてクラックが入った状態です。

このケースの場合はほぼ辺の中心から棚板の中心に向かってクラックが入ります。

棚板の中心部だけに重量物(=蓄熱しやすい物)を載せている場合は、ただでさえ棚板の中心の温度は下がりにくいところに更に積載製品から棚板中心に熱を与え続ける事になり、縁と中心の温度差が大きくなり、降温割れ・冷め割れが起きやすくなります。