アルミナポーラス質の色見栓

アルミナ質ポーラスの色見栓です。
写真の物は、はめ合い部φ49mm(色見穴φ50mm)、全長80mmです。

iromisen

一般的には断熱煉瓦を切削加工したものが多く使われますが、それらに比べ耐久性がありまた出し入れのたびに削れることもありません。
下の写真は断熱煉瓦から切削加工したもので、かなりボロボロになっています。
4課色見栓_現行
つまみ付きなので、奥まった色見穴にも使用できます。
4課色見栓_新

プレス加工後旋盤加工しますので、ご希望の寸法で制作可能です。
(受注生産のため最低ご注文数量の設定がございますので別途お問い合わせ下さい)

SiC棚板のSiC含有%比較

酸化物結合SiC耐火物の性能比較の一つの指標はSiC含有%です。

下は他社販売のSiC棚板です。K company SiC sample一部分を切り取り粉砕し分析にかけたところ、SiC%は88.2% でした。SiC content K company一方、以前弊社のSiCセッターを同じ機関で分析した結果は90.4%でした。SiC content Daikoこの%差の原因は元原料の品質(SiC%)の差である可能性があります。以前のブログ記事「酸化によるSiC%の減少」でもご説明した通り、劣化してゆくとSiC%が減ってゆき、棚板として大体使わなくなるくらいに劣化したSiC棚板のSiC%は85.4%でした。

いかに良質のSiC原料を安定的に使用しているかが高性能/長寿命の最初のポイントです。

 

再結晶SiCの焼成雰囲気と使用可能温度

再結晶SiCの大気雰囲気での最高使用温度は1,650℃ですが、酸素の無い雰囲気焼成ではそれ以上の温度でも使用可能です。

SiC99%の再結晶SiCが1,650℃を超えてくると使えない理由はその温度以上ではSiCと酸素が反応してしまいシリカの泡が生成されてしまうからです。一方、無酸素雰囲気での焼成ですとその反応は起きず、2000℃近くで使われている例もあります。

下の写真は無酸素雰囲気焼成で使用されている、再結晶SiCの外径φ450 x 内径φ405 x 高さ200mm の枠です。ReSiC muffle

肉厚は22.5mmあり1個当たりの重量は16.3kg です(カサ比重=2.7)。再結晶SiCですと肉厚で比較的大きな製品も対応可能です。

再結晶SiCリングセッター

再結晶SiCの特徴は最高使用温度が1,650℃と他のSiCよりも高い温度で使用できる点です。下の写真は再結晶SiCセッターφ240 x 6t の片面にアルミナコーティングをしたものです。ReSiC Plate Φ240x6t backReSiC Plate Φ240x6t

テストの結果ドイツの老舗メーカー様に継続納入が決定しました。1400℃焼成のIn/Out 約5時間のローラーハースで使われます。真ん中の穴は製品中央部も十分に加熱し焼きむらを防ぐ目的です。再結晶SiCは気孔率約15%、表面はやすりの様な感じで比較的ざらついていますので、コーティングの食いつきも良いです。

Si-SiC耐火物の熱伝導率

Si-SiC保護管
Si-SiC保護管

熱伝導率とはどれだけ熱が移動しやすいかを表す数値で、数字が大きいほど熱が移動しやすいという意味です。その単位はW/m・K(ワット パー メートル ケルビン)が一般的であり、 1mの物体を介して1ケルビン温度差=1℃の温度差がある場合にその1mの厚さをどれだけの熱エネルギー量(W)が移動するかという意味です。尚、温度によって熱伝導率は変化しますが、温度が上がるにしたがって熱電度率が下がる物・上がる物・ほとんど変わらない物があります。

下の表はSi-SiC(反応焼結SiC)・焼結体アルミナ・ステンレスSUS304の各温度での熱伝導率の比較です。

Heat conductivity table

温度による熱伝導率の変化の仕方は異なりますが、焼結体アルミナ・ステンレスよりもSi-SiCの方が熱伝導率が良いという事ははっきり判ります。実際に炉内で使われるムライト・レンガ質の耐火物等ですと更に焼結体アルミナの1/4~1/10程度しかなかったりしますので、Si-SiC耐火物の熱伝導率はかなり高い事が見て取れます。

SiC炉床板

プッシャー炉のSiC炉床板(レール)です。SiC(炭化ケイ素)は耐摩耗性が高く、上を台板が押されて滑ってゆくこの炉床板にはSiCが適しております。

SiC pussher kiln hearth

SiCの種類としては、酸化物結合(シリカ結合)SiCで、基本的には通常のSiC棚板等と同じですが、炉床板の場合は炉の中に設置され続ける為、SiCが一番酸化されやすい約700~1000℃の温度帯で長時間炉に入っていても酸化されにく、また高温での耐摩耗性にも優れた特別な配合になっております。

酸化によるSiC棚板のSiC(炭化ケイ素)%減少

SiC棚板等のSiC耐火物は大気雰囲気で焼成されると徐々に酸化されて行き、反りや膨張が発生し本来の強度も落ちてゆきます。SiC(炭化ケイ素)が酸化されるとSiO2(シリカ)が生成されSiCの%は減ってゆきますが、酸化の程度の違いによって実際にどのくらいSiC%が減っているのかを分析しました。

下の写真のSiC棚板はかなり使用され裏面にシリカも多く出ており棚板として使うにはほぼ限界に近い程度の物です*ここではSiC棚板(反り中)とします。warped SiC

下の写真は本来は棚板ですが、煙道カバーとしてカートップに設置され続け、結果激しく酸化してしまい、これ以上酸化された状態のSiCはめったに見られないというくらいの程度の物です*ここではSiC棚板(反り大)とします。heavily warped SiC(反り大)は近くで見ると判る通り、SiC本来の光沢も消えガサガサした感じです。
heavily warped SiC UP

この2つのSiC棚板を分析用に細かく砕いたのが下です。Grinded 2 samples SiC comparison

色合いと光沢具合の違いが良くわかるかと思います。

それぞれのSiC%をセラミックス試験場で分析した結果が下です。SiC % analysis results

SiC棚板の新品はSiC=約90%ですので、棚板として寿命の限界程度に酸化した物(反り中)がSiC=85.4%、それ以上に極端に酸化された物がSiC=81.7%という結果になり、見た目なりにSiC%が減少しているという結果になりました。

SiC耐火物の水蒸気による腐食

SiC(炭化ケイ素)耐火物は炉内に水蒸気がある環境下ですと、激しく腐食してしまいます。SiC corrosion

SiCが元の濃いグレー色から薄い白っぽい色になり、反ったり割れたり膨張したりし、強度も著しく落ち、固いSiC耐火物がボソボソになってしまいます。SiC corrosion UP

これは水蒸気によって粒界腐食が起き、SiC (炭化ケイ素)とH2O(水) が反応し、SiO2(シリカ)やSi(OH)4(ケイ酸)等が生成されるメカニズムの様です。実験によると300℃でもSiCの粒界腐食を起こすとの事ですので、製品の釉薬が十分に乾ききっていない場合、SiC棚板にアルミナコーティングを塗った後十分に乾ききっていない場合、又は連続熱処理炉で冷却水が炉内に侵入してしまうような場合は、明らかにSiC耐火物に対して悪影響を及ぼしますので注意が必要です。

参考資料「材料と環境49(11)2000 P706~709 300℃の水蒸気中における炭化ケイ素焼結体の腐食挙動」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcorr1991/49/11/49_11_706/_pdf

 

フォークリフト式シャトル炉

シャトル炉でも一般的には台車があり、台車の上にSiC棚板等で棚組して製品を積載し台車ごと炉に入れますが、愛知県の築炉メーカーM社のシャトル炉(デュポー式 LPGキルン)では、台車を無くし、代わりに巨大な3本ツメの専用フォークリフトを使って棚組ごと直接炉に入れます。lift and kiln

台車が無い代わりに、下の写真の様に「製品仕込み台」と言われる台の上で棚組し製品を載せて行きます。SiC shelves before firing

それを巨大な3本ツメの電動フォークリフトで丸ごと持ち上げ、そのまま炉に入れます。この地元の製陶所様の炉は約4㎥で、1窯分を丸ごと一気に窯入れ・窯出しします。

SiC shelves with lift

この炉のメリットは台車が無いおかげで炉内が完全密封型で、炉内温度分布や炉内雰囲気を均一にコントロールしやすい点です。又窯おこし後は1窯分を丸ごとリフトで好きな場所に移動できる為、作業効率が良いとの事です。こちらの製陶所様では炉は2基あり、Vの字に配置されています。