中国製SiC棚板使用による支柱へのSiC粒付着

中国製SiC棚板の問題点の追加です。

下の写真は中国製SiC棚板と一緒に使われたムライト系L型支柱(日本製)ですが、棚板の裏面と接した支柱の端面にSiC粒が付着してしまっています。

Support used with Chinese SiCSupport used with Chinese SiC bかなり使い込まれたSiC棚板と支柱ではまれにSiC粒が少しだけ支柱に付くケースはありますが、この様な比較的新しい支柱にこれだけ大きなSiC粒が付着しているのは中国製SiC棚板が原因です。

中国製SiC棚板はSiC自体の結合力が弱い為、使っていてもSiCのぼろ振りがおきるくらいであり、また耐酸化性能が落ちる為、棚板表面が酸化されSiC からシリカ(SiO2)が生成されやすく、シリカは冷えると固まりますので棚板側が支柱をえぐり取ったり、棚板本体のSiC粒が支柱にくっついて剥離したりします。こうなってくると支柱からSiC粒を取るのも難しく、アルミナを塗ってもSiC棚板と支柱はまたくっついてしまい、結果支柱にもダメージを与えた形になってしまっています。

中国製SiC棚板の特徴 その3(鉄分の問題)

中国製SiC棚板の主な特徴として最後に挙げるのが鉄分の問題です。

下の写真は何回か焼成に使われた(まだ比較的新しい)中国製SiC棚板です。

Chinese SiC Plate iron1 Chinese SiC Plate iron2

鉄分の茶色がひどく、コーティング層をも突き抜けたりしており、これでは焼成製品に鉄の茶色が色移りしてしまいます。

SiCの原料は精錬されたインゴットを粉砕して作られますが、SiC原料製造の品質管理の段階で既に鉄分の多い原料が作られるケースが多く、原料価格は安いのですが品質も価格相応です。またSiC棚板製造メーカーにおいても管理やノウハウのレベルが高くない場合はSiC棚板に鉄分がさらに混入してしまいます。

以上3回に渡って見てきた中国製SiC棚板の問題点ですが、これら以外にも新品時から既に棚板が曲がっていたり、使用して半年くらいで棚板が曲がり出したり、白っぽくなる酸化膨張が早かったり、表面にバリがあり平面でなかったり等々、色々なケースがある様です。

中国製SiC棚板の特徴 その2(成形の問題)

中国製SiC棚板の特徴のひとつに、成形の問題があります。

下の写真はコーティングを取ってSiC棚板の地肌が見える状態にしたものです。Chinese SiC Plate lax1 chinese SiC Plate lax2この手のSiC棚板はプレス成形で作られますが、見て判る通り同じ板でも密になっている部分となっていない部分の差が激しく、また板によっても違いが大きいです。

原因は、SiC原料の配合、混錬、状態管理や金型への原料充填、プレス機の性能、金型の剛性など様々考えられます。SiC原料の流動性の悪さから、ある程度の見た目の不均一は仕方ないにせよ、この様に大きくばらつきがあると、割れや曲がりの原因となりますし、原料が締まって成形されていないとSiC粒のぼろ降りの原因にもなります。

流動性の悪いSiCをいかにしっかり均一に成形できるかが、SiC棚板の性能を左右する一つの重要な要素です。

尚、棚組み下段へのSiCのぼろ降りは成形の問題以外に他の原因もありますが、残念ながらSiCのぼろ降りは中国製SiC棚板の一つの特徴でもあります。

中国製SiC棚板の特徴 その1(コーティング問題)

中国製SiC棚板はその品質的な問題から日本ではあまり見かける事は無いですが、例を挙げてその特徴を見てゆきます。

下の写真は中国製SiC棚板のアルミナコーティングです。新品状態はまだ焼きついていないのでコーティング面が柔らかいのは普通なのですが、この板はあまりにも柔らかすぎ、指で軽くこすってもどんどんコーティングが取れてしまいます。Chinese SiC plate coatingこうなると、棚板輸送中でもどんどんコーティングが取れてしまうという事になります。因みにこの板は焼成後でもコーティングの固着が弱くどんどん取れていってしまう状態でした。

SiC棚板のコーティングは製品との引っ付きを防ぐ為の物であり、製品が強く引っ付こうとする時にはコーティングの細かい粒子が製品と一緒に少しづつ剥がれる事により製品自体の引っ付きを防いでいるのですが、コーティングが必要以上に柔らかく容易にどんどん剥がれてしまうとコーティングの持ちが悪く、すぐにコーティングが効かなくなるという事になります。

重量物焼成に使用されるSiC製I型支柱

酸化物(シリカ)結合SiCの支柱です。20170519_SiCsupport04247

写真の物は高さ350mmで上下頭部分は80x80mmです。

一般的にはムライト質の白色の支柱が多く使われますが、碍子(がいし)等の重量物を焼成される場合はSiC製支柱も使われます。前々回のブログ記事にあるように、ムライト製支柱の圧縮強度は約680kgf/㎠ですがこのSiC製支柱の圧縮強度は約1,500kgf/㎠です。又、ムライト支柱は熱間荷重により縮んで行きますが、SiC支柱にはそれがありません。

但し、SiC支柱とSiC棚板は焼成後引っ付く可能性がありますので、基本的には組みっぱなし(焼成毎に棚組をくずさない)の台車に組まれる場合が多いです。

尚、当社でもこの手のSiC支柱は在庫しておりませんので、基本的には全て受注生産となります(受注生産の場合は最低ご注文数量の設定がございますので別途お問い合わせ下さい)。

再結晶SiC(Re-SiC)大型肉厚ボード

下の写真は再結晶SiC(Re-SiC)製の大型肉厚ボード(中実材)で、サイズは幅130mm 厚み30mm 長さ2300mmです。Recrystalized SiC board 130x30x2300mm

再結晶SiCの特徴はSiC99%で最高使用温度が1600℃と高い事です。アルミナ系でここまでの大型サイズの物を作るのはかなり難しく、またSiC系はアルミナ系と違い曲げ強度は最高使用温度まで低下しないという特徴があり(アルミナ系は温度が上がっていくと強度は下がって行きます)、高温での耐熱間荷重を要求される吊るし焼き等に使用されます。

反応焼結SiC(Si-SiC)の焼成直後

下の写真は焼成直後の反応焼結SiCのローラーチューブです。Si SiC Roller tube just after fired見た目は金属のようにキラキラしていますが、これは含浸しきれなかった金属シリコンが表面に付着しているためです。この後サンドブラストで表面の余分な金属シリコンを削り取り、つや消しグレーのいつものSi-SiC耐火物の表面状態になります。

SiCセッターの高温焼成によるラミネーション

下の写真は1,560℃焼成で使用されたSiCセッターで、セッターの一部が膨れ上がった為、膨れた箇所を切断した写真です。

SiCセッター高温ラミネーション

数百枚使用されたSiCセッターのうち1枚にこの様なラミネーションが発生しました。原因はSiCセッター製造工程で内部に閉じ込められた空気です。このセッターの厚みは15mmで比較的厚めの板となり、厚いが故にプレス成型時に内部に空気が閉じ込められやすく、それでも一般的な1,200~1,350℃くらいの焼成温度では影響ないのですが、1,560℃等の高温焼成ですと、この様に閉じ込められた空気が急激に膨張し、セッター自体も膨れ上がるというケースが稀にあります。

因みにカタログ上、最高使用温度1,500℃となっておりますSiC(品番:FR-90)セッター/棚板ですが、実際は焼成条件等にもよりますが、1,500℃以上でも問題なく使えたりします。

ムライト板のくり抜き加工

ムライト質の板をウォータージェット加工してくり抜いたものです。ウォータージェット加工品1

ウォータージェット加工は費用は高いですが、焼成後の板を加工しますので、曲線でも切断面がきれいかつ正確に加工できます。ウォータージェット加工品アップ

ムライト板の場合は、焼成前の生の状態で穴開けポンスを使ってくり抜き加工したり、切取り加工したりもできますが、加工面はもっとぼそぼそで粗くなります(費用はこの生加工の方が安いです)。

尚、SiC板の場合は原料に粒度の粗い物も入っている為生の状態での加工はできず、焼成後は非常に硬いのでこのムライト板の様な大きな穴開け加工はできません。

SiC耐火物焼成炉

SiC棚板やセッター、ビーム、パイプ、レンガ等のSiC耐火物も焼成して製造する言わばセラミックスです。焼成炉はバッチ式のシャトル炉です。

SiC耐火物焼成炉

耐火物を焼成しますので、高温且つ長く焼成します。