SiC(酸化物結合SiC)耐火物をグラインダーで切断できるかのテストを行いました。使用した刃は3種類で1)レンガ用、2)石材用、3)コンクリート・タイル用ダイアモンドホイールです。
1)レンガ用:当てたSiCの角が少し削れた程度で全く切れず。
2)石材用:同じく当てたSiCの角が少し削れた程度で全く切れず。
3)コンクリート・タイル用ダイアモンドホイール:少し食い込みましたがそれ以上は切れず。
1)レンガ用、2)石材用はSiC耐火物に当て続けると刃がみるみる減って行き、3)ダイヤモンドホイールもダイヤ砥粒が直ぐに無くなり進まなくなりました。
SiCは砥石の原料にもなっている位の硬い材質ですので加工は容易ではありません。弊社の場合SiC耐火物専用の丸鋸(まるのこ)をオーダーメイドで製作してもらい、それを湿式切断機に取り付け切断加工しております。




(1300℃還元焼成:B製陶所)

写真の通り、左側の還元焼成後の物は新品時に比べ濃いグレーになっています。これは還元焼成によってSiC棚板表面の分子レベルでの酸素欠損が起きた為と考えられます。ですので酸化焼成の場合は焼成物から酸素を奪う作用が働きませんので、この様な色の変化は通常ありません。
見ての通り、破断面が酸化されつや消しになりました。この結果、降温時のヒートショック(冷め割れ)でも破断面がつや消しになりうるという事で、結論としては「破断面が酸化されつや消しになっている場合は高温時に割れた事は判っても、昇温時の割れか降温時の割れかの区別はつかない」という事になります。
かなり使い込まれたSiC棚板と支柱ではまれにSiC粒が少しだけ支柱に付くケースはありますが、この様な比較的新しい支柱にこれだけ大きなSiC粒が付着しているのは中国製SiC棚板が原因です。
