中国製SiC棚板の特徴のひとつに、成形の問題があります。
下の写真はコーティングを取ってSiC棚板の地肌が見える状態にしたものです。
この手のSiC棚板はプレス成形で作られますが、見て判る通り同じ板でも密になっている部分となっていない部分の差が激しく、また板によっても違いが大きいです。
原因は、SiC原料の配合、混錬、状態管理や金型への原料充填、プレス機の性能、金型の剛性など様々考えられます。SiC原料の流動性の悪さから、ある程度の見た目の不均一は仕方ないにせよ、この様に大きくばらつきがあると、割れや曲がりの原因となりますし、原料が締まって成形されていないとSiC粒のぼろ降りの原因にもなります。
流動性の悪いSiCをいかにしっかり均一に成形できるかが、SiC棚板の性能を左右する一つの重要な要素です。
尚、棚組み下段へのSiCのぼろ降りは成形の問題以外に他の原因もありますが、残念ながらSiCのぼろ降りは中国製SiC棚板の一つの特徴でもあります。
こうなると、棚板輸送中でもどんどんコーティングが取れてしまうという事になります。因みにこの板は焼成後でもコーティングの固着が弱くどんどん取れていってしまう状態でした。






見た目は金属のようにキラキラしていますが、これは含浸しきれなかった金属シリコンが表面に付着しているためです。この後サンドブラストで表面の余分な金属シリコンを削り取り、つや消しグレーのいつものSi-SiC耐火物の表面状態になります。
約100mの長さのトンネル炉を10時間以上かけて台車が通り瓦は焼成されます。一つの台車はちょっとした小部屋くらいもの大きさがあります。