SiC耐火物の曲げ強さについて

SiC耐火物がどのくらいの強度があるのかご質問頂く場合がございますので簡単に説明いたします。弊社Webサイトのテクニカルデータ等に掲載しております曲げ強度はJIS規格のR1601「ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」の「3点曲げ強さ」に基づく数値です。イメージ的には下の写真のように2点を支持具で支え、その中心点に荷重を加えて試験片が破壊したときの最大荷重が曲げ強さとなります。

SiC曲げ強さ

3点曲げ強さσb3(Mpa)の公式は σb3=3PL÷(2wt2) となります。

  • P:試験片が破壊したときの最大荷重(N)
  • L:支点間距離(mm)
  • w:試験片の幅(mm)
  • t:試験片の厚さ(mm)

*「JISハンドブック セラミックス2010」より引用。当該試験に関する詳しい内容は「JISハンドブック セラミックス」をご覧下さい。

通常の酸化物結合SiCは曲げ強度45Mpaですので、例えば上の写真のサイズ幅25mm、厚さ20mm、支点間90mmを試験した場合は、上記公式にあてはめるとP=3,333(N)となりkgに変換すると約340kgとなります。即ち、中心点の荷重(P)が340kgになった時に初めて破壊するという事になります。SiC耐火物がどのくらいの強度があるのかなんとなくお判り頂けたでしょうか。

因みにSiC耐火物の中でも強度的に一番強い部類に入るSi-SiC(反応焼結SiC)の場合は曲げ強度250Mpaと酸化物結合SiCの約5倍以上ございますので、非常に強度のある物となります。各種SiC耐火物の曲げ強度データに関しましては弊社Webサイトの「高機能SiC耐火物」ページをご覧下さい。