ムライト・コーディライト質の鋳込成形のサヤ(匣鉢)です。
鋳込み成型品の為、表面の凹凸が非常に少なく滑らかで、かつ鋳込み前の原料時点で脱鉄処理してありますので、表面の鉄粉が非常に少ないのが特徴です。
コーディライト入りの為ヒートショックには強い配合です。最高使用温度は1,250℃です。
ムライト・コーディライト質の鋳込成形のサヤ(匣鉢)です。
鋳込み成型品の為、表面の凹凸が非常に少なく滑らかで、かつ鋳込み前の原料時点で脱鉄処理してありますので、表面の鉄粉が非常に少ないのが特徴です。
コーディライト入りの為ヒートショックには強い配合です。最高使用温度は1,250℃です。
ステアタイトは滑石(タルク)を主原料とするセラミックスで、優れた電気絶縁性や加工性の良さから、碍子や絶縁端子をはじめ幅広く使用されています。
ステアタイト(MgO・SiO2)の焼成には酸化物結合SiCセッターやアルミナセッターは使用できません。
なぜならばステアタイトの主成分であるMgOにより、酸化物結合SiCセッターの場合はそのボンドであるSiO2がMgOと反応してステアタイト化し、酸化物結合SiCセッターのSiCが脱粒してボロ降りが起き、アルミナセッターの場合はその主成分Al2O3がMgOと反応してスピネル化(もしくはコージライト化)しワークがセッターにくっ付いてしまうからです。
(下図参照)
弊社取り扱いの材質ではSiO2を含有しない再結晶SiC(Re-SiC)または窒化物結合SiC(N-SiC)(耐酸化被膜処理前のもの)が候補となります。高機能SiC耐火物をご参照ください。
セラミックス製品の焼成は、ワークと反応しないセッターや敷き粉の選択がポイントの一つとなります。
※ワークやセッターの材質配合は様々あり、焼成条件によっても反応は様々ですので個別にお問合せ下さい。
下の写真はSiC棚板で水蒸気爆発が発生した後の棚板の写真です。
表面に液体のアルミナコーティングをハケで塗り、約15分扇風機を当てた後、棚板を重ねて壁に立てかけ、48時間後に炉に入れて使用した際、炉内温度が約600-700℃になった時点で炉内で爆発したとの事です。
これは表面に塗られた液体が完全に乾かないうちに重ねられた結果、水分が表面から蒸発できずに棚板内部の微細な気孔等に浸透し、そのまま炉内で加熱された事によりしみ込んだ水が水蒸気化し(体積は1700倍になり)、閉じ込められた水蒸気の圧力で爆発したという現象です。
えぐれた部分を切断したのが下の写真です。
SiC棚板に限らず、耐火物はどれも水濡れ厳禁です。濡れてしまった場合はゆっくり時間をかけて天日で乾かすか、ゆっくり乾燥室で乾かしてからご使用ください。
ムライト・コーディライト質の大型支柱です。
ジョイント部分と支柱部分があり組み合わせて使います。
通常のL型支柱と比べるとその大きさが判るかと思います。
良く使われるパターンはSi-SiCビーム組用の支柱で、ジョイントの穴やキャップの凹み部分でSi-SiCを受けます。
尚、コーディライトが入っている為、1300℃を超える温度では注意は必要です。
耐火物が割れる原因のほとんどはヒートショックです。物体に熱がかかる際は表面や縁から先に温度が上がり、熱が冷める際は逆に表面や縁から先に温度が下がり、一つの物体で温度差ができる事によって膨張・収縮による歪みが生まれ物理的に割れます。
下の写真はアルミナ耐火物セッターの昇温時のヒートショックによる割れの例です。
縁が先に温度が上がり膨張しますが、中心部はまだ温度が上がらず膨張せずにいる為、縁の膨張に中心部が追従できず中心部からクラックが入り、クラックがそこまでで止まった状態です。
セッター・棚板の上の積載製品が密に配置してあったり、上段セッター・棚板と積載製品との空間が狭い場合など、セッター・棚板中心部に熱がかかりにくい場合にこの昇温割れが起こる事があります。
アルミナ質ポーラスの色見栓です。
写真の物は、はめ合い部φ49mm(色見穴φ50mm)、全長80mmです。
一般的には断熱煉瓦を切削加工したものが多く使われますが、それらに比べ耐久性がありまた出し入れのたびに削れることもありません。
下の写真は断熱煉瓦から切削加工したもので、かなりボロボロになっています。
つまみ付きなので、奥まった色見穴にも使用できます。
プレス加工後旋盤加工しますので、ご希望の寸法で制作可能です。
(受注生産のため最低ご注文数量の設定がございますので別途お問い合わせ下さい)
熱伝導率とはどれだけ熱が移動しやすいかを表す数値で、数字が大きいほど熱が移動しやすいという意味です。その単位はW/m・K(ワット パー メートル ケルビン)が一般的であり、 1mの物体を介して1ケルビン温度差=1℃の温度差がある場合にその1mの厚さをどれだけの熱エネルギー量(W)が移動するかという意味です。尚、温度によって熱伝導率は変化しますが、温度が上がるにしたがって熱電度率が下がる物・上がる物・ほとんど変わらない物があります。
下の表はSi-SiC(反応焼結SiC)・焼結体アルミナ・ステンレスSUS304の各温度での熱伝導率の比較です。
温度による熱伝導率の変化の仕方は異なりますが、焼結体アルミナ・ステンレスよりもSi-SiCの方が熱伝導率が良いという事ははっきり判ります。実際に炉内で使われるムライト・レンガ質の耐火物等ですと更に焼結体アルミナの1/4~1/10程度しかなかったりしますので、Si-SiC耐火物の熱伝導率はかなり高い事が見て取れます。
シャトル炉でも一般的には台車があり、台車の上にSiC棚板等で棚組して製品を積載し台車ごと炉に入れますが、愛知県の築炉メーカーM社のシャトル炉(デュポー式 LPGキルン)では、台車を無くし、代わりに巨大な3本ツメの専用フォークリフトを使って棚組ごと直接炉に入れます。
台車が無い代わりに、下の写真の様に「製品仕込み台」と言われる台の上で棚組し製品を載せて行きます。
それを巨大な3本ツメの電動フォークリフトで丸ごと持ち上げ、そのまま炉に入れます。この地元の製陶所様の炉は約4㎥で、1窯分を丸ごと一気に窯入れ・窯出しします。
この炉のメリットは台車が無いおかげで炉内が完全密封型で、炉内温度分布や炉内雰囲気を均一にコントロールしやすい点です。又窯おこし後は1窯分を丸ごとリフトで好きな場所に移動できる為、作業効率が良いとの事です。こちらの製陶所様では炉は2基あり、Vの字に配置されています。
前回に続き別の小型のトンネルキルンです。
地元の築炉メーカーM社製で「マイティーキルン」という名前が付いています。こちらの製陶所様の炉は全長40m、台車長さ1,500mm、炉内台車26台車、操業は送車40分/台車でIn/Out 17時間、1,300℃還元焼成です。
前回の製陶所様と違いこちらはサヤ(匣鉢)が約85%、SiC棚板が約15%の割合で台車が組まれています。
こちらの炉もレールは床の上に設置されている仕様です。
連続焼成炉であるトンネルキルンの小型版です。
地元の築炉メーカーT社製で「ミニトン」と呼ばれる炉です。こちらの製陶所様の炉は全長30m、台車長さ900mm、炉内台車30台車、操業は送車24分/台車でIn/Out 12時間、1,220 - 1,250℃酸化焼成で、全てSiC棚板によって台車が組まれています。通常のトンネルキルンと「ミニトン」の違いは、炉・台車のサイズはもちろんですが、通常のトンネルキルンは台車のレールが床に埋め込まれているのに対し、「ミニトン」は床の上にレールが設置されている点です。尚、「ミニトン」はコンパクトな設計ですが、それがゆえにヒートカーブが急だったりと耐火物にとっては消耗しやすい厳しい条件である場合が多いです。