アルミナ棒・ロッド・パイプ

弊社はアルミナ(Al2O3)製の棒・ロッド・パイプも各種販売しております。

alumina rodアルミナの%は99.5%, 96%, 92%, 80%, 60%(ムライト)など様々な配合があり、押し出し成形でサイズも直径1mmレベルの物から供給可能です。外径の公差も研磨加工により±0.05mmも可能です(製品の外径によりますが)。アルミナ80%以上ですと1500℃以上でも使用可能です(アルミナ%が高くなるほど強度も強くなります)。

高温で金属では耐えられないパーツや冶具、絶縁が必要な部品等、用途は様々です。是非お問い合わせ下さい。

グラインダーでのSiC耐火物切断テスト

SiC(酸化物結合SiC)耐火物をグラインダーで切断できるかのテストを行いました。使用した刃は3種類で1)レンガ用、2)石材用、3)コンクリート・タイル用ダイアモンドホイールです。

1)レンガ用:当てたSiCの角が少し削れた程度で全く切れず。Cutting test by brick cutter

2)石材用:同じく当てたSiCの角が少し削れた程度で全く切れず。Cutting test by stone cutter

3)コンクリート・タイル用ダイアモンドホイール:少し食い込みましたがそれ以上は切れず。Cutting test by concrete & tile with diamond

1)レンガ用、2)石材用はSiC耐火物に当て続けると刃がみるみる減って行き、3)ダイヤモンドホイールもダイヤ砥粒が直ぐに無くなり進まなくなりました。

SiCは砥石の原料にもなっている位の硬い材質ですので加工は容易ではありません。弊社の場合SiC耐火物専用の丸鋸(まるのこ)をオーダーメイドで製作してもらい、それを湿式切断機に取り付け切断加工しております。

熱処理炉用SiC耐火物レール

下の写真は熱処理炉のSiC製レールの一例です。

Rail for heat treatmentRail for heat treatment2

弊社販売のSiC耐火物レールは鋳込み成形ではなくプレス成形品ですので、耐荷重・耐磨耗性にも優れています。複雑形状でもプレス成形で対応できるのが弊社の強みです。

SiC棚板破断面焼成テストの比較まとめ

過去3回にわたり比較試験してきたSiC棚板の破断面の焼成テストのまとめです。SiC cross section comparison 1

  • 上段左:新品を割った物=全体的に光沢有り
  • 上段右:800℃の素焼焼成に入れた物=SiC粗粒部に少しだけ光沢が残る
  • 下段左:1240℃酸化焼成に入れた物=完全につや消しマッド
  • 下段中:1300℃還元焼成(A製陶所)=SiC粗粒部が紫っぽく変色
  • 下段右:1300℃還元焼成(B製陶所)=SiC粗粒部が緑っぽく変色

この様に焼成雰囲気によってSiC棚板の破断面の見た目/状態が変化しますので、SiC棚板が割れた時の状況がこれらの情報を元にある程度推測できます。

SiC棚板断面の焼成テストその3(還元焼成)

引き続き1300℃還元本焼成の炉に入れた後の新品SiC棚板の破断面の写真です。(1300℃還元焼成:A製陶所)SiC cross section reduction fired 1300C 1(1300℃還元焼成:B製陶所)SiC cross section reduction fired 1300C 2

写真の通り、SiC粒径の細かい箇所は酸化焼成時と似たようなつや消し状態になりましたが、大きめの粒径部分はつや消しにはならずに紫色や緑色のような虹色っぽい色が出ており、このキラキラの色合いは新品棚板を割った破断面でも出ていなかったものです。

この様に還元焼成の場合の破断面は酸化焼成の場合と違い、SiCの大きな粒に光沢をもった色が付きます。

この原理ははっきり判らないのですが、焼成過程で大きめのSiC粒表面が一度酸化されSiO2皮膜ができ、その後還元帯に入った時点でSiO2皮膜がいくらか奪われ薄膜ができ「薄膜干渉」によって光の屈折の強調が起き色が付いた可能性もあります。

尚、同じ還元焼成でも還元度合いや時間が異なることによりこの薄膜のでき方(厚み)が変わり、よって”A製陶所”と”B製陶所”の様に色も異なってくるのではと考えられます。

SiC棚板破断面の焼成テストその2(酸化焼成)

前々回の記事で「新品SiC棚板破片を800℃の素焼き窯に入れたらキラキラしていた破断面が酸化されつや消しになった。」と報告しましたが、1200℃くらいの酸化本焼成では破断面がどう変化するかをテストしました。

下の写真は1,240℃の酸化本焼成の炉に入れた後の新品SiC棚板破片の破断面の写真です。SiC cross section oxidation fired 1240C

この場合も新品を割った時にはキラキラしていた破断面が酸化されつや消しになりましたが、800℃素焼きの時よりも更にマットな感じになり、大きめのSiC粒の部分でも(800℃素焼き時と違い)キラキラは残らずに全てつや消し状態になっています。

ヒートショックによる割れは800℃以下の温度帯ですので、前々回のテスト結果と合わせて考察すると、炉で使用したSiC棚板が割れた時の破断面がこの写真の様に完全にマットなつや消しになっている場合は昇温時の800℃までに棚板が割れ、その後1,200℃くらいの酸化焼成にさらされて破断面がつや消しになったという事で、SiC棚板は昇温時に割れた可能性が高くなります。

SiC耐火物焼成後の色の変化

SiC棚板等のSiC耐火物を焼成した後は色が濃くなるという現象があります。下の写真は新品未使用SiC棚板の破片を更に割り、片方を1,300℃還元焼成の炉に入れた物です。Color chage of SiC plate写真の通り、左側の還元焼成後の物は新品時に比べ濃いグレーになっています。これは還元焼成によってSiC棚板表面の分子レベルでの酸素欠損が起きた為と考えられます。ですので酸化焼成の場合は焼成物から酸素を奪う作用が働きませんので、この様な色の変化は通常ありません。

因みにアルミナ系耐火物でも同じく、酸素欠損が起こると白色からグレーや黒へと色が濃くなる場合があります。

SiC棚板破断面の酸化温度の検証テスト

SiC棚板が低温時に(物理的な力で)割れたのか、焼成時の高温時に(ヒートショックで)割れたのかは破断面の光沢度で判断できるという記事は以前掲載しましたが、更に突っ込んで、その割れがヒートカーブ中の昇温時か降温時かの判断ができるのかどうかの検証です。

焼成最高温度1300℃等でもSiC棚板がヒートショックで割れるのは赤熱状態より低温の800℃以下の温度帯です。仮に800℃くらいの温度ではSiC棚板破断面は酸化されない=つや消しにならないという事であれば、判断面がつや消しになったのは一度それ以上の温度にさらされたという事になり=昇温時の割れという事になります。

下の写真は常温で物理的に割ったSiC棚板(左)を800℃の素焼の炉に入れた結果(右)です。SiC surface change見ての通り、破断面が酸化されつや消しになりました。この結果、降温時のヒートショック(冷め割れ)でも破断面がつや消しになりうるという事で、結論としては「破断面が酸化されつや消しになっている場合は高温時に割れた事は判っても、昇温時の割れか降温時の割れかの区別はつかない」という事になります。

中国製SiC棚板使用による支柱へのSiC粒付着

中国製SiC棚板の問題点の追加です。

下の写真は中国製SiC棚板と一緒に使われたムライト系L型支柱(日本製)ですが、棚板の裏面と接した支柱の端面にSiC粒が付着してしまっています。

Support used with Chinese SiCSupport used with Chinese SiC bかなり使い込まれたSiC棚板と支柱ではまれにSiC粒が少しだけ支柱に付くケースはありますが、この様な比較的新しい支柱にこれだけ大きなSiC粒が付着しているのは中国製SiC棚板が原因です。

中国製SiC棚板はSiC自体の結合力が弱い為、使っていてもSiCのぼろ降りがおきるくらいであり、また耐酸化性能が落ちる為、棚板表面が酸化されSiC からシリカ(SiO2)が生成されやすく、シリカは冷えると固まりますので棚板側が支柱をえぐり取ったり、棚板本体のSiC粒が支柱にくっついて剥離したりします。こうなってくると支柱からSiC粒を取るのも難しく、アルミナを塗ってもSiC棚板と支柱はまたくっついてしまい、結果支柱にもダメージを与えた形になってしまっています。